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~人として生きる力を高めてくれる金次郎さんの教え~
二宮金次郎といえば、昔の貧しい時代に、兄弟の面倒を見ながら田畑を耕し、昼も夜も働いてお父さんお母さんには親孝行。その上、合間に薪を売り歩きながら勉強までして大変な苦労を積み重ねた人です。大きくなってからは着実に田畑を買い戻して二宮家を再興。さらには多くの武家・農村の財政再建や復興に力を尽くしました。その生き様は長く語り継がれてきましたが、詳しく知っている方はあまりいません。前編では① 金次郎さんが いかに大変な困難を乗り越え、② 自分の収入に見合った支出を決める「分度」という地味ながら大切な考えがあることをご紹介しました。今回はその後編です。
③“推譲の精神”、次世代や社会に富を譲る。
金次郎さんは「分度」を立てて蓄積した富を家族や子孫、そして社会に譲ることの大切さを日頃から説いていました。「分度」だけでなく金次郎さんが編み出した家や農村を復興する手法はいろいろな場所で活用され、600もの村を復活させたと言われています。自分が苦労して生み出した手法を惜しげもなく伝えていくことも推譲の精神の表れです。家庭や会社、そして地方自治体や国にも必要な考え方ではないかと思っています。
④妻や家族を大切にすること。
まじめな金次郎さんですが、実は一度、離婚を経験しています。完璧主義者で若い時は特に仕事にのめり込んでいたため、時に仕事で家に帰らず、家庭をあまり顧みることができなかったのかもしれません。その結果、最初の奥さんから「家風に合わない」と離縁の申し出をされてしまったのです。
これは金次郎さんにとっても大きな失敗だったと思いますが、逆に多くのことも学んだのではないかと考えています。その後に再婚した“なみ”さんとは、夫婦のコミュニケーションを大切にし、栃木県の真岡市にある桜町の復興に向かう時は、小田原にある財産をすべて処分して一緒に同行しています。私自身も仕事に打ち込むには、妻や家族の理解や協力がなければできないわけで、そのことを学ぶきっかけになりました。
~二宮金次郎の教えを楽しく学ぶ “裸の金次郎の会” が開催~
2024年5月8日に、橋本駅近くのイベントホールで“裸の金次郎の会”が開催され、たくさんの方にご来場いただきました。私は企画から関わっておりましたので満員御礼になったことはとても嬉しく、改めて感謝の気持ちをご来場の皆様にお伝えするとともに、今後、いっそう楽しく金次郎さんのスピリッツに触れ合える機会をつくりたいと思いました。
裸の金次郎の“裸”は、一家離散の憂き目にあった金次郎さんが、裸一貫から土や埃にまみれ、幾多の苦難を乗り越え、立ち上がっていったことを象徴する言葉です。実は、2024年9月8日には小田原市の三の丸ホールでオペラ“裸の金次郎”が開催されます。金次郎さんの特徴を端的にあらわしたこのネーミングを私はとても気に入り会の名前としても拝借しています。
今回の“裸の金次郎の会”は、“裸の金次郎”の名づけの親であり、町田市相原町を活動拠点にしている伊勢谷宣仁先生に、二宮金次郎の生涯についての講演をお願いしました。「分かりやすかった」「楽しかった」など大変好評でした。
2024年9月8日には小田原で“オペラ 裸の金次郎”が開催されます。金次郎さんの教えを楽しく体感できます。観てみたい方はメールをください! ”コーラスショー 裸の金次郎“では私も出演して歌う予定です。
(町声レポート2024年5月号より 執筆者:おぜき重太郎)
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