シリーズ 人生に役立つ二宮金次郎の教え (その5)

~分度を立てるとは?~

 二宮金次郎の重要な教えに“分度を立てる”というものがあり、誤解を恐れず簡単にいえば、①自分の収入・支出の関係をきちんと把握し、②決めた予算内で生活や運営をしていくことです。なんだ、そんなことかと思われるかもしれませんし、従来の二宮金次郎のイメージから“倹約”を奨める教えなのかと思われがちですが、重要ポイントは、予算内で生活を続けて余剰部分は将来に備えることです。そして蓄積した富は、時に運用し、時に社会に還元し、社会全体の富を増やすことです。作家の猪瀬直樹さんは分度のことを「偉大なる発明」と呼びました。人間、ちょっと油断すると分度を立てることを忘れがちです。「入るを量りて出を制す」と言いますが、常に分度を立てて“経営をしていく”感覚は、何事につけて大切なことだと考えます。
薪を背負う重太郎

小田原市の尊徳記念館で薪を背負ってみました。

(町声レポート2024年2月号より 執筆者:おぜき重太郎)

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