年末年始こそ、防犯対策を怠らない!(その2)

~地域で取り組む防犯活動~

先月号の11月号では、町田市の犯罪発生状況や、各家庭で出来る防犯対策について、防犯のプロのお話も交えながら記事を書かせていただきました。今月号の12月号は、少し視点を変えて、町田市が取り組んでいる防犯活動の支援についてご紹介させていただきたいと思います。

声かけが犯行をあきらめさせる?

警察庁のHPによると、侵入犯が犯行をあきらめる一番多い理由は「声をかけられた」ことなのだそうです。そして、侵入者は「近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街を嫌う」そうです。町内会・自治会など、地域として声かけなど防犯活動に取り組むことは、とても意義があることだと言えます。

犯行をあきらめる要素のグラフです。

町田市としての防犯支援は?

町田市は、防犯活動をしている団体を支援をしています。具体的には、① 防犯用品の貸し出し、 ② 市の職員が同行する合同パトロール や ③ 防犯講話、そして ④ 防犯カメラの設置補助 などがあります。

地域の皆様にとって関心が高いのは、④ 防犯カメラの設置補助 だと思います。わが町内会・自治会でも設置を…と希望される方は多いと思いますが、補助要件のハードルが高く、設置できない町内会・自治会が多いのが実状です。町田市に確認したところ、現在、市の補助を受けて設置したのは74台でした。実は補助要件に町田市が「安全安心まちづくり推進地区」に設定している地域とあり、この推進地区が犯罪発生率が高い地区を候補としているため、必然的に町田駅周辺の地区(繁華街)が多くなっているのです。また防犯カメラを設置後も防犯に関する見守り活動を月1回以上・5年以上継続して行う必要があり、地域団体にとっても長期にわたり負担がかかってしまう課題があります。

おぜき重太郎

防犯カメラの設置補助の要件は、もう少し条件を緩和すべきと思います。犯罪率の高い所を重点的に設置するのは分かりますが、今は住宅街を狙った強盗事件が発生しています。「安全安心まちづくり推進地区」の認定要件を広げ、むしろ住宅街に設置していくことを検討すべきと考えます。

また、① 防犯用品の貸し出しについてですが、先日、地域の方から、防犯に役立つ「目立つ」看板をご近所と一緒に掲示したいという相談を受けました。町田市役所 防災安全部に確認したところ、「誰か、見てるぞ!」の歌舞伎の隈取風の看板を、町内会・自治会など自主防犯団体に10枚貸与可能とのことでした。さっそく、このことをその方が所属する町内会長にお知らせして、町田市役所から貸与してもらいました。
なお、この歌舞伎の隈取風のイラストは、正式名称を「動く防犯の眼」と言い、東京都生活文化スポーツ局がデザインの権利を持っています。地方自治体や民間団体であっても申請をすれば独自にステッカーなども作成することが可能です。町田市も東京都の生活文化スポーツ局に申請して、こういった看板を作製しました。デザイン使用料は無料ですが、ステッカーの作製費用は申請者(この場合は町田市)負担です。

町田市が貸与している防犯用品の写真です。

おぜき重太郎

町田市が作製した見てるぞ看板については、10点と言わず貸与枚数を増やし、市民と共に防犯意識を高めていく取り組みがあっても良いと考えます。こういった町田市の支援も活用して、町内会・自治会をはじめ地域の防犯力を高めていきましょう。

地域の防犯力で犯行をあきらめさせるのイメージ画像です。

(議会レポート2025年12月号より 執筆者:おぜき重太郎)