地域による移動支援、“支え合い交通”とは?

~交通手段の確保が 困難 な時代~ 

 コロナ禍や長引く経済の低迷、そしてドライバーの労働環境の変化(いわゆる2024年問題)は公共交通機関に大きな影響を与えました。バスは減便が重なり、タクシーはなかなかつかまらないなど、高齢の方や身体の不自由な方にとって通院や買い物の足がない厳しい状況が続いています。
移動支援のイメージ画像です

~支え合い交通を移動支援の一助として~ 

 そのような中、問題解決の一助として注目を浴びてきているのが、支え合い交通」の取り組みです。道路運送法による法体系としては、「許可・登録を要しない輸送」に区分された互助活動で、運営形態や運営主体も様々であり、高齢者が多い地域では、期待が高まっている移動支援です。しかし、住民が主体となって活動していくには、事故や保険の問題、車両の維持費やガソリン等の経費や人件費等、活動を維持していく仕組みづくりが重要です。

公共交通機関に頼っているだけでは、これらの移動に関する地域の困りごとは解決に至りません。「支え合い交通」の取り組みを充実していくことも地域の足を確保する手段として必要なことだと考えます。

~支え合い交通 の特徴~ 

 支え合い交通の特徴について、まとめてみました。
・(町田市の支援対象となる団体)町内会・自治会・社会福祉法人・NPO法人など複数の団体、3人以上で構成され、地域協議会が設立されている。
・お買い物や通院など外出を目的に車両を使った移動支援が可能。
・福祉車両や自家用車など白ナンバーでも運行が可能。
・ 登録・許可が不要であるため、小規模な範囲でも準備から運行開始まで比較的短期間で、柔軟な運行を行うことが可能。
町田市内には、福祉事業所や地域住民の皆さまで協力しながら、買い物や通院時などの移動支援の取り組みを行っている団体が10あるそうです。私の肌感覚では町田市内で買い物や通院など移動にお困りと感じている地域はもっとあるように感じます。
支え合い交通の手引き

支え合い交通の手引きはこちらです

~町田市議会で質問をしてきました~ 

 町田市も支え合い交通に対して支援を行っています。具体的には、交通法規に関するアドバイス等の技術的支援と、取組に必要な消耗品費や備品購入費等に対して補助を行う財政的支援があります。
しかし、一番費用のかかる人件費や燃料費が補助対象の経費として認められず「補助制度が使いにくい」と言った声をいただいていました。
そこで2024年3月議会の一般質問で、経費の補助対象を拡大し、使いやすい補助制度にしてほしいという願いを込めて町田市に質問をしてきました。
その結果、2024年度から燃料費を補助経費として認め、人件費も「法改正など国の動向を注視しながら、今後も検討」といった答弁がありました。
【参考:2024年3月議会の一般質問でのやりとり】
おぜき重太郎
補助対象となる経費の範囲を拡大することによって、もっと多くの団体が補助金を活用できるのではないかと考えます。市の考えをお聞きします!
部長のイメージ画像
都市づくり部長:取組を行っている団体からも燃料費などを補助対象にできるよう要望の声をいただいており、2024年度からは燃料費についても補助ができるよう準備を進めております。

補助の対象範囲につきましては、人件費の追加も含め、多くの団体の皆さまにご利用いただけるよう、法改正など国の動向を注視しながら、今後も検討してまいります。

※2024年度から“燃料費”も補助経費として認められることになりました!

 燃料費を補助経費として認めてもらえたことは長年取り組んで来た課題でしたので良かったと思います。引き続き、申請の簡便化や、人件費を対象経費とすることについても取り組んで参ります。

(議会レポート2024年3月号より 執筆者:おぜき重太郎)