衆議院 総選挙にかかるお金の話~国民一人当たり500円以上のコスト~

衆議院が10月9日に解散され、10月27日に総選挙がありました。立候補された方、そして選挙に向き合われた町田市民の皆様、大変お疲れ様でした。さて、選挙にはたくさんお金がかかると言われていますが、実際にどれくらかかるのでしょうか?今回は選挙のコストについて調べてみました。

選挙のイメージ画像

前回、2021年に行われた衆議院総選挙を見てみると、国の予算は約678億円でした※1。この約678億円のお金で、日本全国の選挙が行われました。そして、この約678億円のうち、約9割が都道府県に渡り、さらに都道府県から約8割が市区町村振り分けられたとのことで※2、町田市には東京都から約1億3,500円万円のお金が入りました。

なお、衆議院や参議院といった国政選挙の場合は国の予算で選挙が行われ、町田市の実質的な負担は金銭的にはゼロです。この約678億円を単純に2021年の日本の人口1億2,550万人で割ると、一人当たり540円です。民主主義を維持するためにこれだけのお金をみんなで負担していることになります。

【Point ①!】前回、2021年の衆議院総選挙の国家予算は約678億円!
→国民一人当たり約540円の計算(民主主義のコスト)
→町田市では約1億3,500万円のお金をかけて選挙を実施しました

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さて、先日行われた2024年の衆議院総選挙について話は戻ります。今回、町田市は選挙のために約2億1,000万円の補正予算を組みました
この約2億1,000万円の使い道については、町田市の選挙管理委員会に問い合わせたところ、具体的には、公営ポスター掲示場の設置・撤去に4500万円、郵送料2500万円、人件費2,000万円、機材運搬1,800万円など、とのことでした。
選挙にかかる費用についても、物価高騰のあおりを受け、上昇傾向にあるようです。資材や人件費の高騰、そして20万世帯送る郵便料の値上げなどで、大まかではありますが、かつてのと比較して7,500万円以上値上がりしているそうです。

【Point ②!】今回の2024年の衆議院総選挙では、町田市は約2億1,000万円の予算で選挙を実施!
→物価高騰の影響でかつてより7,500万円ほど負担が増!

注目すべきは、公営ポスター掲示場の設置・撤去に4500万円、郵送料2500万円かかっている点です。「公営ポスター掲示場がないと、選挙が始まっていることが分からない」といった声もいただきますが、4,500万円の費用対効果があるのかは、常に考えていく必要があります。また、郵送料に関しても、マイナンバーカードの活用やインターネット投票を導入することで市民への利便性を向上させ、国や町田市の行政負担(金銭的・人的)を減らすことができないか手法を研究すべきと考えます。

おぜき重太郎
 インターネット投票の導入や公営ポスター掲示場の廃止は、町田市単独ではできません。公職選挙法の改正が必要です。ぜひ新しい政権には選挙のDX化を推進していただきたいと思います。今回は国政選挙だったので、金銭的には国の負担でしたが、2026年に予定されている町田市長選・市議選ではおよそ2億円を町田市が負担しなければなりません。お金の面でも重みのある1票だと思います。せっかくの投票の機会ですから、投票率向上につながる対策にも引き続き力を尽くして参ります。
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※1:正確には最高裁判所裁判官国民審査の費用も含まれます。
※2:2021年衆議院選挙/下(その1)選挙のお金600億円 投票所の運営、
人件費などに 毎日小学生新聞 2021/10/28の記事がとても参考になります。

(議会レポート2024年9月号より 執筆者:町田市議会議員 おぜき重太郎)

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