投票率の低下とその対策について
~駅や大型ショッピングセンター等に期日前投票所の設置を!~
【投票率の低下が課題】
わが国では投票率の低下が課題となっています。総務省の調査では、1967年(昭和42年)の衆議院総選挙は投票率73.99%でした。しかし、直近の2021年(令和3年)には55.93%まで下がっています。
また、身近な町田市長選挙を見てみましょう。1962年(昭和37年)には81.59%と8割を超えていましたが、2022年(令和4年)には42.51%と大幅に減少していることがわかります。
【駅やショッピングセンターに期日前投票所の開設が可能に】
2016年に公職選挙法が改正され、駅やショッピングセンターなど人が集まる場所での投票が可能となりました。全国の自治体では、投票率をあげようと様々な取組をしていますが、取り組みのひとつとして、駅や大型ショッピングセンター等での期日前投票所の設置に期待が高まっています。
しかし実現には、駅周辺にある市の施設は限られていることから民間の企業の協力が必要です。イオングループは、2023年4月の第20回統一地方選挙における全国138カ所の商業施設に「期日前投票所」や「当日投票所」を設置しました。近隣では秦野市、都内では江戸川区で設置されていたようです。他にも様々な企業グループも社会貢献として、投票所に関する取り組みに参画しているようです。
町田市内の駅では周辺自治体に比べ乗降者数が多く、駅構内のスペースの利用や現在空きスペースとなってる店舗等を有効活用するなどして、投票所を設置できれば、投票率のアップや若い世代への投票行動に非常に効果的であると考えます。
【議会で質問をしてきました!】
駅やショッピングセンターに期日前投票所を設置することが可能かどうか、その有効性も含めて2024年3月議会で町田市の選挙管理委員会に質問をしてきました。
まず、他の自治体で、駅やショッピングセンターなどに期日前投票所を設置しているのか尋ねました。すると、直近の選挙では、東京都の区部では4自治体が設置(場所は東武百貨店と西武百貨店、イオン、イトーヨーカドー、アリオ)、市部では昭島市と日野市が設置(場所はイトーヨーカドー、イオンモール)、瑞穂町では、箱根ヶ崎駅の駅構内にも設置していることが分かりました。
次に、投票所設置にあたっての課題を尋ねました。課題は、投票所となる広さやバリアフリー等の設備が整ったスペースの確保や、行政専用のネットワークの利用するためセキュリティーの確保、選挙の度に場所を提供していただく必要があるなどの条件を満たす施設が少ないことや、通信機器や人件費など費用の発生を挙げていました。
費用は、設置場所や投票期間によって異なりますが、各自治体の直近選挙の事例では、足立区が、初期費用含め約380万円、日野市では、ネットワーク利用料および人件費の一部を除き約170万円、昭島市では、人件費を除き約150万円と一定の予算が必要であることが分かりました。