町田市の買物弱者対策について(その2)

~町田市は今こそ全力で買物弱者対策を!~ 

 議会レポート2023年10月号では、町田市の“買物弱者対策”について書きました。“買物弱者”とは「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々」と経済産業省は定義しており、全国に買物弱者数は約700万人程度いると言われています。

買物空白地区。スーパーが遠く買い物が大変。

 相原地区では大手スーパーが11月12日に閉店しました。地元に大きなショックを与えた出来事です。私は、2年前から商業施設の撤退による市民生活への影響や相原駅西側が買物空白地区になることへの懸念について町田市議会で訴えておりましたが力及ばず申し訳ない気持ちで一杯です。一方で、超高齢社会が進む中、他の地区でも同様の問題があることも分かって来ました。町田市はまさに買物弱者対策に全力で取り組むべき時です。

~買物の利便性に満足していない地区にスポットを!~ 

 町田市における買物弱者の実態ですが、町田市は2021年9月に町田市市民意識調査を実施しています。この調査報告書によると、食料品や日用品の買い物の利便性に関する満足度を尋ねた設問に、満足しているやや満足しているを合わせた割合は、町田市平均では65.3%となっており、過去5年間の中で最も高くなっています。しかし、居住地区別に見ると、相原だけが50%を超えていない現状があります。また、やや不満であると不満であるを合わせた割合は、市全体で13.2%です。これらを居住地区別に見ると、相原・小野路・小山地区は20%を超えており、他の地区と比較して高くなっています。

町田市民意識調査の結果を円グラフにまとめました。

~移動販売がしやすい環境整備を!~ 

【2023年12月議会の一般質問から】
おぜき重太郎
重太郎:他市では実際に行政と協力をして移動販売が実現したケースがあるはずです。また、町田市も相原地区をはじめ、買物空白区が生じて買物に困っている市民がいることは先ほどの答弁で承知しているはずです。当然、(町田市は)他市の事例を調べて研究をしているものと思います。他市でも移動販売を導入した事例を町田市・経済観光部からも披露してください!

部長のイメージ画像

経済観光部長:調布市多摩市では、再開発事業などを行った鉄道事業者と地域発展の推進に関わる覚書や包括連携協定を締結したのち、移動販売を一つの地域貢献事業として実施している例があります。
また、調布市では町内会・自治会が移動販売事業者に、直接声をかけて、実現した地域があります。調布市や八王子市では、町内会・自治会から市に対して販売場所を確保するための支援を行ってほしいと依頼が多くあるそうです。具体的には、都営住宅内での販売営業活動に関して、東京都へ申請する際には、事業者への許可が認められないことから、市の関わりが必要となるためと聞いております。

おぜき重太郎

重太郎:動販販売は、地域コミュニティが図られ、買物をする喜びが生まれ、地域課題が解決できる有効な手段と考えます。町田市は、行政から特定の事業者に声をかけ移動販売を誘致することに消極的な考えですが、町内会・自治会からの協力依頼に対し行政が応えていくことは当然の責務です。具体的には町内会・自治会や、協定を締結した事業者からの依頼があった場合に、公共用地の許可申請手続きの支援や移動販売のための場所の調整を行うことなどが考えられます。
(議会レポート2024年1月号 執筆者:おぜき重太郎)