生活に身近な“ごみ”のお話
~町田市の現状は? “バイオガス” “資源化施設”とは?~
最近 “SDGs”という言葉を耳にしますね。これは持続可能な社会を目指すための国際的な目標のことで、17のゴールが設定されています。実は、その目標の12番目に「つくる責任つかう責任」とあり、そこでは資源やごみに関する目標が定められています。持続可能な社会を実現するには自分たちが排出する“ごみ”について考えることも大切です。今回、私たちにとって一番身近な存在である町田市のごみの状況や環境政策について確認してみました。
①町田市では今、どれくらいごみが出ているの?
町田市のごみ処理量は2019年度は 94,309tでした。イメージしにくいですがドラム缶ですと47万1,545本分です。2011年4月に策定した「町田市一般廃棄物資源化基本計画」ではごみとして処理する量を(2020年度までに)約4万t減らし40%削減するのが全体目標でしたが、結果は基準年度に比べ 5.2%の削減に留まっており全体目標は達成できていません。
②町田市の新しいごみ削減計画「第2次町田市一般廃棄物資源化基本計画」
思うようにごみ削減ができていない現状ですが、環境負荷の軽減のためにも継続してごみ削減に取り組んでいく必要があります。町田市では2021年3月、新たに「第2次町田市一般廃棄物資源化基本計画」を策定し全体目標を新たに設定し直しました。
③新たなごみ削減計画の中身は?
全体目標1:1人・1日当たりのごみ排出量を2019年度比で7%削減。
2019年度1人1日当たり 768gだったごみ排出量を 、2030年度には714gにして約 7%のごみ削減を目指すものです。
全体目標2:総資源化率を40%まで高める。ごみの40%を資源として再利用する目標です。ビン・缶・古紙などに加えプラスチックの資源化、生ごみのバイオガス化(メタンガス活用)など資源化率の向上に取り組みます。総資源化率は、31%(2019 年度)から 40%(2030 年度)へ 9 ポイント向上を目指します。
全体目標3:温室効果ガス排出量を2019年度比で30%削減。発生抑制及び資源化の推進で、ごみの焼却による温室効果ガスの排 出量を、約 34,000 t-CO2(2019 年度)から約 24,000 t-CO2(2030 年度)へ、約 30%削減します。全体目標の1,2が達成できれば3も達成できる見込みです。
④バイオガス化施設ってなんだろう?
バイオガス化施設では、生ごみを発酵させてメタンガスを発生させます。このメタンガスを燃焼することで発電したり、余熱で作り出した温水を施設内で利用する予定です。バイオガス化施設での処理によって、年間約6,000tの焼却量を減らすことができます。施設は現在の町田市サイクル文化センターの敷地に「町田市バイオエネルギーセンター」として整備していて、2021年9月から実際のごみを用いる試運転がはじまる見込みです。
町田市バイオエネルギーセンター。足場が取れて外観が見えるようになりました。(2021年7月9日撮影:おぜき重太郎)
⑤資源化施設ってどんな施設なんだろう?
資源化施設では、ビン・カンなどの他、容器包装プラスチックを資源化する機能を持ちます。多くは新たなプラスチック製品(パレットや再生樹脂)を作るための原料となります。資源化することによって、ごみとして焼却する量が減少し、温室効果ガス排出量が削減されます。
施設としての整備予定地は相原地区と小山田地区です。相原地区は用地取得や測量に着手し、2025年度完成を目指しています。小山田地区は2027年度完成を目指しています。
資源化施設が整備されると、市内全域で容器包装プラスチックが専用のピンクの袋で分別回収されるようになる見込みです。
容器包装プラスチックを収集するピンクのごみ袋(現在は横浜線より南の地域のみ対象)分別の手間が増える代わりに指定収集袋の値段が低くなっています。
⑥多摩ニュータウン環境組合でごみ受け入れ
(2021年6月18日 町田市議会建設常任委員会 行政報告から)
実は、整備中の小山田地区「町田市バイオエネルギーセンター」では市内の可燃ごみをすべて処理できない見通しとなり、多摩市にある多摩ニュータウン環境組合(多摩清掃工場)に年間10,000tを上限に受け入れて頂く方向で調整しているとのことです。
⑦皆さんと一緒にできること
①で町田市のごみ処理量は基準年度に比べ5.2%の削減と書きましたが、実は町田市のゴミ処理量は2019年度から再び増加傾向です。コロナ禍もあり特にご家庭からのごみが増加傾向です。
また、1人・1日当たりのごみ排出量も、多摩26市の中で町田市は19位と改善の余地があります。(下図:広報まちだ6/15号より)
“言うは易く行うは難し”と言いますが、実際にごみを減らして行くのはそう簡単ではありません。
その場合は、簡単にできることから取り組んでみることがおすすめです。
例えば、必要のないものは購入しない、マイバックを利用する(約3g)、詰め替え用の製品を購入する(約60g)、食材は賞味期限が近いものから使用するなど、できることから生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、生ごみを捨てる際は水をよく切ってから捨てると約8%ごみの削減につながるんだそうです。ご興味のある方は広報まちだ6月15日号に特集記事がありますのでご覧になってみてください。
日々のちょっとした工夫が積み重なって、町田市全体のごみ削減につながれば良いことですね。ぜひ実践してみてください。