福島県双葉町と福島第一原子力発電所のいま
議員報酬から300万円を福島県双葉町に寄附
東京維新の会では、議員報酬から被災地に寄付するお金を積み立てており、300万円を復興支援金として福島県双葉町に贈呈しました。4月4日には、石井苗子参議院議員はじめ議員団11名で双葉町役場を訪問し、伊澤史朗町長と面会しました。

伊澤町長に寄附の目録を贈呈しました。お役に立てば幸いです。
帰宅困難区域が一部解除に。双葉町の現状は
福島県双葉町は、雄大な阿武隈高地の東側と、太平洋に挟まれた浜通りに位置しています。もともとは農業が盛んな町でしたが、原子力発電所誘致とともに、さらなる発展を遂げてきました。
ところが2011年3月11日の東日本大震災の発生と原発事故によって町の96%(地図の灰色部分)が帰宅困難区域に指定されてしまいました。町民は日本全国散り散りとなり、震災発生から10年以上たった今でも町の大半は帰宅困難区域に指定されたままです。
それが、2022年8月30日に町の11%(地図の濃いグリーンの部分)が、帰宅困難区域が解除され特定復興再生拠点に指定されました。JR常磐線 双葉駅周辺を中心に、居住が可能となったのです。ただ、現在の居住人口は2月1日現在で181名です(参考に、日本で一番人口が少ない青ヶ島村は、2024年10月1日現在161名とのことです)。 つまり双葉町は震災前7,000人いた人口が2%程度に留まっており、双葉町が復興するためには町民の皆さんに帰還していただくことが重要です。そのためには、道路・まち・産業・医療・教育など、生活に必要なあらゆる分野の事業を推進する必要があります。

双葉町の帰宅困難区域と特定復興再生拠点の分布が分かるマップです。
現状、双葉町では、帰還した町民や移住者向けの公営住宅の整備や生活の基盤である雇用を生み出すための企業誘致などが進んでいます。企業誘致に関していえば、双葉町の中野地区では50haの土地に23社の企業が立地し、19社はすでに操業を開始しています(2024年9月1日現在)。前進がみられますが、人の帰還や移住が進み、賑わいが戻って初めて復興完了と言えます。復興完了の日まで福島復興の応援を継続する所存です。
福島第一原発のいま。その安全性は
寄附金目録を贈呈した後、福島第一原発を訪問しました。福島の応援をするにあたり、原発も含めて現実を知ることが重要です。特に、国民の不安を払しょくするためにも放射線量がきちんと管理されていることを示す必要があります。
水素爆発をおこした1号機の前には大きな線量計が設置され、43.9μSV/hと表示されていました。これは、1時間この地に滞在すると、0.0439mSV被ばくすることを示しています。胸のX線検査を受けると1回あたり0.05mSVといわれており、同程度の放射線量です。
実際、私は滞在時間が約15分程度で、被ばく量はその1/4でした。ポケット線量形は0.01mSVだったので計算も概ね合っています。4月23日には燃料デブリ2回目の採取といったニュースが流れました。働く職員さんの線量管理には十分配慮して、長い年月続く作業を安全に進めていただきたいと思います。
(町声レポート2025年3月号より 執筆者:おぜき重太郎)