南多摩斎場の役割について

~5市で共同運営する公営火葬場~

南多摩斎場の写真

南多摩斎場の入り口から撮った写真です。

【南多摩斎場とは?】
南多摩斎場は、葬儀と火葬ができる施設です。多摩ニュータウン整備事業に関連する公共施設整備事業として1975年に竣工しました。
【管理・運営はどこが行っているの?】
南多摩斎場の管理・運営は“南多摩斎場組合”が行っています。この組合は、地方自治法が定める一部事務組合と呼ばれるものです。複数の地方公共団体が事務(行政の仕事)の一部を共同で処理するための組織です。
南多摩斎場組合の場合は、町田市、八王子市、多摩市、稲城市、日野市の5市で構成されています。言い換えると、町田市は八王子市など5市で広域連携しながら火葬場施設を管理・運営していると言えます。

【南多摩斎場はどんな施設?】
施設は、大きく分けると火葬炉(12基)、式場(3会場)、待合室(13室)があります。上記5市の市民は火葬室を無料で利用することが出来ます(式場は有料)。最初は6基だった火葬炉も、人口増加に合わせ1983年、1996年と増設を繰り返し、今や12基で、三多摩では民間の多磨葬祭場に次ぐ規模となりました。この12基の火葬炉でローテーションを組み、一日最大27件の火葬をすることが出来ます(一般的には火葬:約1時間20分、収骨:15分)。年間の火葬実績は7,883件で、そのうち約半数の3,849件が町田市からの火葬でした。

南多摩斎場の第一式場

南多摩斎場の3つある式場のうち第一式場の写真です。

【南多摩斎場の歳入と歳出】
実は一部事務組合である南多摩斎場組合には議会があり、重太郎はその議会議員に就任しました。南多摩斎場は歳入の70%は組織市からの負担金で成り立っています。つまり皆さまからの税金ということになります。そのためにも町田市との関係やお金の使い方、また南多摩斎場の抱えている課題を改めてご説明したいと思いました。
南多摩斎場組合の2022年度の予算は、歳入歳出ともに3億1753万7千円です。歳入は、使用料(式場使用料など)が30%、組織市からの負担金が70%です。そして歳出は、73%が衛生費(火葬施設・式場・待合室運営のための経費)にかかっています。そして26%が総務費(組合運営等の経費)、1%が議会費です。

【南多摩斎場の課題】
南多摩斎場は、市民生活を送る上で欠かせない施設です。しかしその南多摩斎場も今や高齢化の時代ならではの課題を抱えてます。そうした実状を市民の皆さまにご報告するとともに、5市の連携強化と南多摩斎場の安定した運営に努めることが大切な役目だと思っています。
①年間火葬件数が伸び続けている
2009年度は4,749件だった年間火葬件数は、2021年度に7,883件と約66%増えています。(火葬需要はこの先30%増えると見込まれてます)

2009年度は4,749件だった年間火葬件数は、2021年度に7,883件と約66%増えています。(火葬需要はこの先30%増えると見込まれてます)

②一日当たりの火葬件数上限に
かつては一日あたり上限が17件だった火葬件数を2014度年に20件、2015年度に27件と増やしたものの、それも上限に達しつつあります

1日あたりの火葬件数

2013年まで1日17件だった火葬件数を2022年現在1日27件まで増やし対応していますが、それも需要増加に伴い限界が訪れています。

③施設が老朽化している
一番古い火葬棟の竣工が1975年で築47年です。一般的にRC構造の耐用年数は48年と言われており、さらに火葬棟は耐震補強工事も必要と言われています。そのため今後、大規模な修繕や更新が予想されます。
その他にも火葬炉の機能維持のための修繕が毎年のように発生しています。

重太郎:本来、南多摩斎場は大切な方と最後のお別れをする厳粛な場であり、こういった議会レポートに書くことも少し躊躇しましたがそれでも高齢化社会の中で南多摩斎場もさまざまな課題を抱えておりこれは市民の皆さまと共有した方が先々、施設の改善や利便性向上の取り組みをしていく上でプラスになると考え取り上げました。