町田市民病院に最新の医療機器が導入

~内視鏡手術支援ロボット“ダヴィンチ”とは?~

内視鏡手術支援ロボット”ダヴィンチ”の前で写真撮影
 町田市民病院に最新の医療機器が導入されました。内視鏡手術支援ロボットの“ダヴィンチ”です。東京都内には67台が導入されており、南多摩保健医療圏(八王子・日野・多摩・稲城・町田)の医療機関でははじめての導入になります。現在、医師や医療従事者がトレーニングなど準備を進めており、2023年2月頃、最初の手術を予定しているとのことです。【内視鏡手術】とは、体に3~5㎜の小さな孔をあけて、そこから内視鏡や手術器具を挿入して行う手術のことです。内視鏡で体内の様子を確認しながら、がんの切除など行うことができます。従来の開腹手術に比べ、出血が少なく身体に優しい手術と言われています。
開腹手術と内視鏡手術の違い
 ※従来の開腹手術は、下腹部を縦に15㎝切開します。これは、視野を広く取ることができるというメリットがあるものの、血流の多い前立腺周辺で血管を傷つけずに手術することは難しく、出血は避けられませんでした。
 そして【ロボット支援手術】とは、3つのロボットシステムを用いた腹腔鏡手術です。

3つのロボットシステム①ビジョンカート②ペーシェントカート③サージョンコンソールの説明

 例えば、“ロボット支援 腹腔鏡下 前立腺 全摘除術”では患者は図2のような体勢になり、下腹部に5~6か所の孔から前立腺とともに精嚢を一塊として摘出します。

手術の体位イメージ

 手術創は5㎜~12㎜の大きさで(前立腺を取り出す箇所のみ20~30㎜)開腹手術の15㎝と比べると傷が小さいことが分かります。なお、手術は麻酔管理で行い、約3~5時間を想定しているとのことでした(時間が延長されること可能性もあります)。
ところで、1月18日に町田市議会の健康福祉常任委員会で、この新たに導入された内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を見学してきました。いろいろお話を伺う中で、先生方が「待ち望んた」と仰っていたいたことはとても印象的で、このダヴィンチの導入で前立腺や直腸のがん患者の皆さまにより良い医療を提供できることは喜ばしいことだと思います。

市民病院で対象となる主な疾患。前立腺がんと直腸がんの実績数。

 なお、保険診療で行える手術も徐々に拡大しており、今後はその他の診療科や疾患への拡充も進めて行くとのことです。
 重太郎:町田市民病院は東京都が認可した地域医療支援病院です。すなわち救急医療を提供し、皆さんが日頃、受診している地域の「かかりつけ医」を支える役目があります。こういった高度で最新の医療機器を導入することは地域全体の医療の底上げにつながるので、町田市議会としても応援したい事業の一つです。
ダヴィンチの操作体験の様子

ダヴィンチの操作体験もしてきました。

(議会レポート2023年1月号より 執筆者:おぜき重太郎)