通学路の安全対策
~危険箇所改善の取り組み~
2021年6月28日、千葉県八街市で通学中の児童にトラックが突っ込み5人が死傷する痛ましい事故が発生しました。
八街の事故に限らず、近年、通学路における事故が後を絶ちません(表1)。
町田市教育委員会も、通学路点検を実施するなど対応は行っているものの、改善が進まない危険箇所もあり、不満を感じていらっしゃる方は多いと思います。私も、頂いたご要望は担当部署に伝える、議会で発言する、要望書を作成し持っていくなど対応しておりますが、実際に結果に結びついていないケースに関して申し訳なく思っています。
↑ NHK首都圏ナビ「後をたたない通学路の事故 5年で児童900人が死亡・重症の現実」2021年9月16日号、国立国会図書館 調査と情報 771号「通学路交通安全の現状と対策」を参考にまとめました。
~町田市教育委員会の取り組み~
まずご紹介したいのは、町田市教育委員会の取り組みです。2021年9月議会で通学路に関して一般質問をしているので要旨抜粋でご紹介いたします。
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2021年9月議会でのやりとり
重太郎:
通学路の安全点検の実施状況について教えてください。
学校教育部長:
町田市での通学路点検は、市立小学校42校を2つのブロックに分け、
それぞれ隔年で教育委員会、学校関係者、警察、道路管理者等との合同による通学路点検を実施しております。
重太郎:
通学路点検の結果を教えてください。
学校教育部長:
2020年度、学校からの要望に基づき対策を実施した件数は89件になります。主な対策としては、交差点や通学路を知らせる啓発看板、規制標識の設置、外側線の新設・塗り直し、滑り止め塗装などです。
信号機や横断歩道の設置など抜本的な安全対策が状況に応じて困難な箇所もございますが、学校と連携し、安全指導、見守りの強化、通学路の見直しなどの対応をしております。
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抜本的対策が困難な箇所についてはソフト的な対応をすると言っていますが、市民感情は、「そういった危険箇所こそ優先的に整備してほしい」だと思います。
なお、私にも要望は出したものの未だ改善に至らないケースがあります。右に示し、叱咤激励・ご意見をいただきながら次の要望活動に活かして参ります。
◆要望を出しているが改善に課題のある例◆
<歩道整備・拡幅>
・歩道を整備・拡幅する用地がない。一般的に歩道を整備・拡幅するには、工事費に加えセットバック(道路の境界線の後退)を伴う用地買収を伴うケースが多く発生し多額の費用が必要といわれています。また、用地買収には地権者のご理解が必要です。
<信号機設置・横断歩道設置>
・一定の交通量を満たさない、歩行者の滞留スペースがないなど設置基準を満たさなかった。
<ガードレール・防護柵設置>
・道路幅員が足りない。設置すると逆に歩道が狭くなり車椅子が通れないなど弊害がでると判断された。
<生活道路・抜け道のスピードや車両規制>
・スピードや一方通行などの交通規制をするには沿道住民のご協力が必要。
最後に、これから国が力をいれようとしている「ゾーン30プラス」のご紹介です。最高速度30km/hの区域規制(ゾーン30)と物理的デバイス(例:道路に段差を設けるハンプ、交差点カラー舗装、狭さくなど)を適切に組合せ、交通安全の向上を図るものです。