登下校の安全対策のために何ができるのか    

~歩行中の死者・重症者数は減少傾向
…しかし登下校中の小学1.2年生が巻き込まれるケースが多い~

通学の安全を心配するお声を保護者の皆さま、学校関係者、そして地域の皆様から頂きます。警察庁交通局の資料をみれば、小学生の学年別歩行中死者・重症者数は減少傾向、というデータもありますが、 2021年6月に八街市の児童5人の死傷事故があったように、子どもの痛ましい事故は無くなっておりません。特に登下校中の小学1.2年生が事故に巻き込まれやすいという結果が出ています。警察・市役所・保護者・地域、力を合わせて様々な対策をしているところですが、より一層の通学の安全確保が特に小学1.2年生に対して求められている状況にあると思います。

警察庁交通局「令和4年における交通事故の発生状況について」から警察庁交通局「幼児児童の交通事故発生状況について」より

【資料】警察庁交通局「令和4年における交通事故の発生状況について」「幼児児童の交通事故発生状況について」による

~通学路の安全対策 抜本的な対策が困難な箇所もある現実~

通学に関して具体的にどのような安全対策が可能なのでしょうか。重太郎は2021年9月議会において通学路の安全対策について質問をしています。こちらは2021年6月に八街市において飲酒運転のトラックが通学中の児童に突っ込み5人が死傷した大変痛ましい事故が発生したことを受けて町田市教育委員会に質問したものです。
2021年9月議会の一般質問より】
おぜき重太郎
重太郎:通学路の安全点検の実施状況について教えてください!
部長のイメージ画像
学校教育部長:町田市での通学路点検は、市立小学校42校を2つのブロックに分け、それぞれ隔年で教育委員会、学校関係者、警察、道路管理者等との合同による通学路点検を実施して参ります。
おぜき重太郎
重太郎通学路点検の結果を教えてください!
部長のイメージ画像
学校教育部長:2020年度、学校からの要望に基づき対策を実施した件数は89件になります。主な対策としては、交差点や通学路を知らせる啓発看板、規制標識の設置、外側線の新設・塗り直し、滑り止め塗装などです。信号機や横断歩道の設置など抜本的な安全対策が状況に応じて困難な箇所もございますが、学校と連携し、安全指導、見守りの強化、通学路の見直しなどの対応をしております。
この質問は、「通学路の安全対策はしっかりやっているのですか?」という切り口でしたが、教育委員会の答弁は「隔年ごとに教育委員会をはじめ関係諸団体で通学路安全点検を実施し、指摘のあった箇所については看板設置をはじめ出来る対策を取っていく」というものでした。通学路の安全性を少しでも高くするための関係諸団体の活動や働きには、ただただ頭が下がる思いです。
しかし、答弁にあるように「抜本的な安全対策が状況に応じて困難な箇所」が少なからずあり、保護者や当事者である児童・生徒にとって危険性が取り除かれているとは言えないのではないでしょうか。行政は、こういった現実に目を向る必要があると考えます。

~スクールバスの導入に向けた調査・研究・議論の加速を!~

通学路について抜本的な安全対策が困難な箇所がある現状に対して、私は通学の安全確保の一環としてのスクールバス導入が実現できないかを今後、調査・研究をしていきたいと考えています。
少し古いですが、内閣府の少子化社会白書(平成18年版)には「登下校の安全確保のためにはスクールバスの導入が有効な手段のひとつである」と記されています。通学路の安全性確保のため、特に小学1.2年生に関してはスクールバス導入の議論を進めて行くべきではないでしょうか。
もちろん、財政面を含め様々な課題があると思いますが、議会活動や様々な行政機関への調査を通して、現行の制度や課題など論点を整理し、市議会をはじめ、国・東京都、そして党への要望へとつなげたいと思います。
おぜき重太郎
重太郎町田市新たな学校づくり推進計画においては、遠距離通学など「通学の負担軽減策」としてスクールバスの導入を検討することとしています。しかし、通学の安全確保の視点でスクールバス導入を検討することも大切ではないでしょうか。
(町声レポート2023年7月号より 執筆者:おぜき重太郎)