【町田市】学校給食費が完全無償化に!

~町田市議会 2024年12月議会で補正予算が可決~

町田市は、市立小・中学校における児童・生徒の学校給食費を、2025年1月から(第1子を含めて)完全無償化します。東京都が、学校給食費の保護者負担軽減を行う市町村に対する財政支援を拡大したからです。そのため町田市は、東京都からの補助金を盛り込んだ補正予算を組み、町田市議会はその補正予算を12月23日に可決しました。

学校給食費の完全無償化とは?
この完全無償化により2025年1月より学校給食費を納付する必要がなくなります。そして、対象となるのは原則、町田市立小・中学校に在籍するすべての児童・生徒です。
※生活保護・就学援助・就学奨励により保護者負担が発生していない場合は無償化対象外ですが、それぞれの制度の中で学校給食費が支給されます。

給食を食べる子どもたち

学校給食無償化の背景
◎コロナ禍や物価高騰などを受けて、子育て世帯への経済的な負担軽減を求める声や、自宅で十分に食事をとることができず(学校給食が命綱という家庭もある)学校給食の無償化を求める声が全国的に高まっていました。
◎なお、保護者が負担する学校給食費の全国平均月額(令和3年度調査)は、小学校で4,477円、中学校で5,121円で、年額6万円程度の負担軽減となります。
◎このように児童・生徒一人当たり年間6万円の財政負担が生じるため、財政的に余裕がある自治体や、子どもの数が少ない自治体から学校給食の無償化を進める傾向にありました。令和4年度に無償化を実施した自治体は全国1,600ある市区町村のうちの約3割、451自治体でしたが、東京都内では葛飾区・品川区・世田谷区・荒川区・練馬区などにとどまり、町田市を含む多摩地域は、給食無償化から遅れをとっていました。

引用:立法と調査2023.11 No.461 参議院常任委員会調査室・特別調査室 学校給食費の無償化をめぐる主な動向  山下 慶洋 (文教科学委員会調査室)

何か手続きなど必要ですか?
小学生や、堺エリア・鶴川エリアの中学生については、申請など手続きは不要です。また、全員給食にも対応できてますので、スムーズな無償化移行を期待しています。
ただ、下の対応一覧表にある、④中学生・町田忠生小山エリア、⑤中学生・南エリアに関しては、全員給食に移行する前段階である給食センターの建設中に学校給食の無償化が決まり、さらにいま提供できるランチボックスに限界(能力的に1日1,500食)があることから、このエリアの無償化には、いくつか注意べき
ポイントがあります。

【学校給食無償化について対応一覧表】

学校給食無償化について対応一覧表

④⑤のエリアは“給食利用希望調査”で調整!
全員給食に移行していない④と⑤のエリアでは、2024年11月27日を回答期限として、ランチボックスを希望するか調査が行われました。

本来であれば、希望するすべての生徒の皆さんにランチボックスを提供したいところですが、先に述べた通り、能力的に1日1,500食しか提供できないため、提供できない家庭には給食費相当額を支給します。
また、他の注意点としては、ランチボックスを希望しない方はお弁当持参となり無償化の対象にならないことと、アレルギー・疾病・宗教の理由で給食を食べられない方には、全員給食になるまで給食費相当額を支給します。そして、給食センターが稼働後は、「学校給食費無償化」のまま「全員給食」になります。

おぜき重太郎

 町田市の学校給食無償化には年間、約20億円かかると言われており、町田市は独力でそのお金を出せずにいました。それを東京都は「市町村総合交付金」という補助金を増額する形で支援する決定をしたのです。地元の町田市で学校給食の無償化が決まったことを歓迎しますが、本来は国が主導して、全国平等な学校給食無償化の制度にしていくべきだと思います。

(議会レポート2024年12月号より 執筆者:おぜき重太郎)