町田市議会 健康福祉常任委員会の視察に行ってきました①
~愛知県小牧市の取り組みを視察~
愛知県小牧市は、羽柴秀吉と徳川家康・織田信雄連合軍が1584年に戦った“小牧・長久手の戦い”で有名な小牧山があり、名古屋市から北に15㎞のところです。
こちらの小牧市では、母子保健事業において“親子の自己肯定感の醸成”する先進的な取り組みを行っているとのことで、2023年5月9日、町田市議会健康福祉常任委員会の行政視察として、担当者からお話を聞きに行ってきました。
母子保健事業というと非常に硬い響きですが「母と子どもの心身の健康を守る」「子どもを健全に育て」るための取り組みです。
~自己肯定感とは?~
小牧市では、母子保健事業の柱として「自己肯定感の醸成」を掲げています。
【課題】自分(心と体)を大切にできない子どもの姿、親の姿がある。
⇒わたしはかけがえのない存在である。自分を認め、肯定する。
⇒わたしもあなたも大切な存在であることを認識し行動する必要がある
自己肯定感が大切!
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小牧市の母子保健推進協議会において、「首すわりや一人歩きなどの時期を記録する母子健康手帳は親を不安にさせる」と意見があり、この発言をきっかけに、“親の力になる”母子健康手帳を作成しようと、保健師、助産師、保育士、養護教諭をメンバーに母子手帳作成部会が立ち上がりました。
小牧市は母子健康手帳に思い入れがあります。ネーミングもあえて「親子健康手帳」としています。
~現場の声を取り入れたさまざまな工夫~
① 名前を母子健康手帳ではなく親子健康手帳とした
→母だけでなく父も一緒に参加する子育てをイメージできるように
②「お父さんお母さんからのメッセージ」欄を設ける
→ お父さんお母さんの愛情と子供の成長記録が詰まった最高の宝物になるように
③ 親子健康手帳を交付した保健師や地区担当保健師の氏名を書く欄を設けた
→ 困ったらいつでも相談してくださいというメッセージを伝える
④ 中学校3年生まで記録できるようにした
→中学校卒業まで、親と子で完成させる手帳にしたい
重太郎:子どもの虐待が絶えない世の中ですが、小牧市では命の大切さを伝え、親も子も共に成長して様々な危機を乗り越える力を身につけてほしいと願い、親子健康手帳に現場の思いを託したのだと感じました。引き続き、町田市での母子保健の取り組みについても調査・研究したいと思います。
(会報2023年4月号より 執筆者:おぜき重太郎)