高齢者向け フレイル予防のための栄養パトロールとは?

~三重県 津市に視察へ~

町田市議会 健康福祉常任委員会の視察に行ってきました②
三重県 津市は、三重県の県庁所在地がある県都で日本列島のほぼ中央に位置しています。津市は2006年に2市6町2村が合併してできた非常に大きな市で、その面積は約711㎢。町田市のなんと10倍の広さです!漁業の盛んな海岸地域や山間地域など多様な地域特性が特徴です。
津市では、高齢者向けフレイル予防として栄養パトロール”という事業を行っているということを津市の担当者にお話を伺ってきました。

三重県津市の場所を示す地図です。

かわいい柴犬の画像
津市 豆知識
・津市は世界一短い市の名前
・忠犬ハチ公が待ち続けたご主人は東京帝国大学 教授の上野英三郎で、津市 久居元町 出身

~フレイルって? どうして予防が大切なの?~

フレイルとは? (町田市HPより)
年齢とともに、からだやこころの機能が低下し、要介護におちいる危険性が高まっている状態です。そのまま放置すると、要介護状態になる可能性があります。しかし、フレイルには「可逆性」という特性があり、フレイルの状態になったとしても、適切な取組を行うことで健康な状態に戻ることが可能です。早めの「気づき」が大事です!
フレイルのサインは ①食べ物が噛みにくい、②むせることが増えて来た、③外出が億劫、④体重が減って来た、です。
津市では、山間部では高齢化率が60%を超えている一方で福祉サービスが不足している課題があります。そこで健康寿命を延ばし高齢者が住み慣れた家で最後まで暮らし続ける地域づくりをするためにフレイル予防に力を入れています。

【フレイル】加齢と予備能力(いざというときの体力)の関連性

~低栄養を防ごう!栄養パトロール事業とは~

さて、フレイルのサインを4つご紹介しました。ここで注目したいのは④の体重減少です。実は低栄養が筋力低下や体重減少につながり、それがさらに食事量や活動量の低下につながり、フレイルが進行する可能性があるといいます。 そこで津市では、保健師や管理栄養士、歯科衛生士等が、地域のサロンや集まりへ出向き、生活習慣や食生活に関するチェックを行って、低栄養やフレイルのリスクが高い人に相談や支援を行っています。

【フレイルサイクル】低栄養とフレイルの関連性

その中でも、栄養パトロールは、後期高齢者健康診査などを受診された後、BMI20以下、体重減少が1年間で2キロ以上減った方などに個別通知が届き、希望者には約6か月間、保健師や管理栄養士、歯科衛生士が訪問や電話をしてフレイルチェックや相談、支援を実施するというものです。効果として、一例ですが、参加した10人中9人に体重増加、10人中7人が握力向上など改善が見られました。

おぜき重太郎

健やかな人生を送るには平均寿命だけではなく健康寿命を延ばすことが重要です。そのためには、なるべく要介護状態にならないフレイル予防が大切です。意識的に栄養のあるものを食べ、社会参加や外出で足腰の筋力維持に努めましょう。町田市でも5月に忠生市民センターでフレイルチェック会が開催されたようです。
(会報2023年5月号より 執筆者:おぜき重太郎)
2023年度町田市議会健康福祉常任委員会三重県津市視察

2023年度町田市議会健康福祉常任委員会三重県津市視察