“積小為大”の精神を大切に日々の活動を積み重ねる

~ビジネスにも通じる二宮金次郎の研究(その3)~

 二宮尊徳の教えに、「積小為大」(せきしょういだい)という言葉があります。大きいことを成し遂げるには、小さな積み重ねが大切です。小さな積み重ねが無ければおよそ成功出来ないし、仮に一山当てて、大成功を収めたとしても、日々の努力による裏付けがなければ掴んだ成功もあっという間に崩れ去ってしまうかもしれない。そうならないためにも自分(重太郎)は日々の活動を「積み重ね」と捉え大切にすることを心掛けています。

積小為大については、菜種の逸話が有名です。小田原・酒匂川の氾濫は二宮家の田畑の大半を使い物にならなくし、さらに追い打ちをかけるように両親を失うという悲劇に見舞われた二宮尊徳(金次郎)は、伯父さんの家でお世話になることになりました。根っから働き者の金次郎は、朝から晩まで働き、夜は遅くまで勉学に励んでいました。

 しかし時は江戸時代。なかなか勉学に対する理解が乏しい時代です。貴重な菜種油の火を行燈に灯して勉強していたことを伯父に見咎められてしまいます。それでは自分の力で菜種油を手に入れれば問題なかろうと考え、友人から一握りの菜種を借りて仙了川の川岸で植えたところ約8升の菜種が収穫できたそうです。この菜種を油屋で菜種油に交換し夜間も勉強できるようになったというお話です。二宮金次郎は、そこから積小為大の法則に気づいたとのことです。地味に感じるお話かもしれませんが、私は政治にもビジネスにも学業にも通じる大切な逸話だと思っています。
薪を背負う重太郎

小田原市の尊徳記念館で薪を背負ってみました。

(町声レポート2023年12月号 執筆者:おぜき重太郎)