シリーズ 人生に役立つ二宮金次郎の教え (その6)

~地方議員の鑑? 二宮金次郎 “廻村”の行とは?~

 数々の荒れ果てた農村を復興させた金次郎先生は、“廻村(かいそん)”を非常に重要視したと言われています。

“廻村”・・・金次郎先生は、村中にある家を朝から晩まで、雨の日も風の日も寒い日も暑い日も一軒一軒 訪問し、その家が何に困っているのか、農作業をきちんと勤しんでいるのか、田畑の様子や土地の肥え具合、用水の便利さなど休むことなく欠かさず見て回った。それらの情報をもとに良いことは褒め、悪いことはやめるように諭し、貧しいものを救い、水の流れを改良し、荒れ地を切り拓き、村人の生活が安定するように努めた。
これは金次郎先生の高弟である富田高慶先生が書いた“報徳記”の一節を私なりに意訳したものですが、私はこれを読んで金次郎先生は地方議員の鑑(かがみ)ではないかと思いました。
いつの時代も人々の生活には何かしら困難や課題があり、お役所や議場にいても分からないわけです。金次郎先生はそれを毎日毎日、朝から晩まで村中すべての家々を見て聴いて回っていました。さすがです。
 余談ですが私が続けているゴミ拾いも一種の“廻村”だと思っています。ゴミ拾いをしながら地域を回り、自分の足で情報を仕入れ、お役所や議場に市民の生の声としてお届けします。結論:現場に答えがあります!

相原駅でごみ拾いをしている様子です。

(町声レポート2024年3月号より 執筆者:おぜき重太郎)