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シリーズ 人生に役立つ二宮金次郎の教え(その24)

~幸田露伴 原作 “二宮尊徳翁”を読む(その4)母の決断と夜の涙~

◎【前回のあらすじ】没落していく二宮家

二宮金次郎の家は、もともと中農の家で比較的豊かな暮らしをしていましたが、次第に実家は没落。父は金次郎が14歳の時に亡くなり、残された母は末の弟を親類に預けるという苦渋の判断を迫られます。

二宮家が没落した要因

現代語訳:母はどうすることもできず、悲しみを胸にしまいながら、「あなたと三郎左衛門の二人なら、なんとか育てていけるけれど、末の子までは手が回らない。仕方がないから、末の子は親戚に預けるしかない」と言い聞かせました。そして、心を強く持って、末の子・富次郎を他の家に預け、自分の家に戻ってきました。
「これからは一生懸命働いて、せめてこの貧しさを乗り越えよう」と決意したものの、やはり母親としての愛情に引かれて、夜になると富次郎のことを思い出し、眠れない様子でした。

原文:母は是非なく憂を秘して「汝と三郎左衛門とは如何様としても養ひ得べけれど末子までには力及ばず、詮方なければ末の子をば縁者の許にあづくべしと云ひ知らし、心強くも富次郎を他所に預けて立ち帰り、いざ是よりは骨折り労作き、せめて貧苦を凌がんとするにも流石恩愛に引かれて母は夜毎に、児を思へばや眠りもせざる様子

重太郎のコメント:小説では金次郎はこの後「自分が一生懸命働くから弟(富次郎)を家に取り戻して一緒に暮らそう」と母に懇願します。母はこの願いを聞き届け、その夜のうちに富次郎を自宅に連れ戻します。
金次郎が大きな成長を遂げることになった要因の一つがこのエピソードだと思います。自立することは人として大切なことではありますが、家族を大切に思う気持ちがあることが何よりも大切なことだ。と学ぶことが出来ます。

(議会レポート2025年9月号より 執筆者:おぜき重太郎)

夜に泣く母の姿のイメージ画像です。