シリーズ 人生に役立つ二宮金次郎の教え(その23)
大久保 彦左衛門 の深慮遠謀
時は江戸時代初期。徳川家康から秀忠・家光と、三代に渡り仕えた忠臣に、大久保彦左衛門という人物がいました。相手が将軍であっても忌憚ない意見で諫める「天下のご意見番」(頑固親父)として講談では有名ですが、徳川幕府創業の立役者にしては禄高は2000石と少ないものでした。しかも、兄の跡を継いで沼津藩主になる話や、将軍家光から5000石の加増の話も、固辞し続けたと言われています。
これには深い考えがあってのことなのだ、二宮金次郎はそう言います。自分が創業の直参だから褒賞を求めてばかりいたら、他の人も我も我もとなり幕府が立ち行かなくなってしまう。だから世に稀な忠勤があっても小禄無爵で終生過ごしたのだ。そこに世の人が思いが及ばないのは残念なことだ。

歴戦の勇士のイメージ画像です。
重太郎のコメント:自分の名声や生活を優先的に考えるのは人間として仕方ないことかもしれません。しかし、すべての人がそのような振る舞いをすれば組織が上手く回らないのは自明です。「おれが、おれが」となりがちな世の中ですが、いまのリーダーに一番求められている姿勢でもあります。私もこの姿勢を見習いたいと思います。
(議会レポート2025年8月号より 執筆者:おぜき重太郎)
